求道庵通信今月号 (第347号)

*往生と浄土について-(8)


「浄土」は、我というものが一切入り込むことのない、阿弥陀仏の真実の心によって完成されている世界です。
その「浄土」を天親(世親)菩薩は、『浄土論』(『無量寿経優婆提舎願生偈』)で「荘厳清浄功徳成就」(読み方:しょうごんしょうじょうくどくじょうじゅ) という言葉で表現されています。
「荘厳」とは建立され飾られているということで「浄土」の全体の造りのこと、「清浄」とは煩悩のけがれを離れて清らかで一切が平等なこと、「功徳」とはその清浄な悟りを衆生に与えること、「成就」とは完成され破壊することや汚すことができない、私たちが住む娑婆のような我欲まみれに世界ではないことをいいます。
つまり「浄土」は完全に我欲や我執から離れた清らかな世界であり、その清らかな「浄土」に我欲・我執まみれの衆生を生まれさせ、清浄ならしめて悟り開かせる働きでもあるのです。
*天親(世親)菩薩は4〜5世紀ころのインド(正確には現在のパキスタン)出身の方で、唯識思想の大成者で、多くの著作があります。