求道庵通信今月号 (第341号)

*往生と浄土について-(2)


古くは「往生」とは迷いの境界を生まれ変わり死に変わりして輪廻していくことを意味していました。
迷いの境界というのは、六道(六つの境界)が有名ですが、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天上道をいい、私たちはこの六道を生まれ変わり死に変わりして迷い続けていると説かれます。
手塚治虫氏の『火の鳥』という漫画の中で、ある仏師が悪をはたらき焼け死ぬ間際に火の鳥が現れて、その火の鳥に仏師が「次に私が人間に生まれてくるのはいつか?」と尋ねたら、 「あなたはもう永遠に人間に生まれ変わることはありません」と答えたシーンは、この輪廻の往生となります。
子どもの頃にこの漫画を読んで、この仏師は永遠に地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道という苦しみの激しい世界をめぐり続けるしかないのだなと思ったときに、一種の恐怖を覚えました。