求道庵通信今月号 (第337号)

*安心について-(10)


宗教とは、苦悩する人々に「安心」を与える教えのはずです。
かえって「不安」を増大させて益々深い「不安」に陥らせる苦しめる宗教もありますが、それは本当の宗教とは言えないでしょう。
仏教においては、お釈迦様が「不安」で苦しむ原因は煩悩にあると諦かにされて、その煩悩を滅することが本当の「安心」を得る道であることを示して下さいました。
仏教の教えに従い、煩悩を滅することのできる聖者であればよいのですが、煩悩を滅することのできない凡夫にとっては不安の中に生き不安の中に死んで行くという 不幸せな人生を歩むことになります。
そのような凡夫は、悟り開かれた仏の本当の「安心」を頂く以外にありません。
そしてそれは、仏の側から「名も阿弥陀仏」の名号としてすでに与えられているのです。
間違いの無い本当の「安心」を頂くことによって、本当の幸せな者として、安心して人生を力強く歩むことができるはずです。