求道庵通信今月号 (第333号)

*安心について-(6)


仏法の教えによって、自らの力で何事が起っても動じることの無い本当に「安心」した境地に至ることが出来る聖者であるなら、「不安」に陥ることはありません。
しかしそうではない凡夫にとっては、いつも何かしらの「不安」を持ちながら生きるしかないものです。
そうして、生活や仕事などで厳しい状況となったときや体調を崩し辛い病に罹ったときなど、如何ともしがたい心も押しつぶされるほどの大きな「不安」を抱えざるを得ないのが 凡夫というものです。
ですから、自らの力で本当の「安心」を得ることのできない私たち凡夫には、自分の心で作り出すものには頼ることはできないということです。
私たち凡夫が本当の「安心」を得るには、自身の心に頼ることなく、最高の境地に至り悟り開かれた仏から与えられる「安心」を素直に受け入れる以外にはないでしょう。